2022/05/06
新型コロナの流行で、2年以上新潟から外に出ない生活をしていましたが、久しぶりに奈良まで出かけてきました。
興福寺の国宝「阿修羅像」を見てきました。教科書にも載るくらい有名で、修学旅行も含めると今までにも数回訪れている筈ですが、じっくり見たのは今回が初めてのような気がします。
印象は、とても細くて華奢な体格で、悲しそうな(あるいは、覚悟を決めたような)お顔をしていました。「阿修羅」とは、インド神話に登場する「アスラ」が原型で、日本では“戦闘神”としての印象が強いと思います。加えて、「六道(りくどう)」のうちの「阿修羅道」(永遠に闘いを繰り返す)とつながるために、屈強な体格と“いかつい”顔で、常に怒り狂っている鬼のような姿を思い浮かべます。神話の世界では、帝釈天に何度も闘いをいどんで、一度も勝てなかった、とのことです。
この、荒れ狂う生活をしていた阿修羅が、お釈迦様の説法を聞いた時、己の罪を悔い改め、仏の教えに帰依する決心をし、その後修行を重ねて、仏様をお守りする守護神になったいうことです。
さて、現代に戻ってみますと、ロシアのウクライナ侵攻による戦争が続いています。これをきっかけに、日本も含めて世界中で軍備増強が進むでしょう。「自由・平和を守るための軍備増強」とは皮肉な結果です。
阿修羅は闘うことを止め、細い腕と華奢な体格となりました。
しかし、昔も今も、力づくで征服しようとする人(国)がいます。お釈迦様の時代から二千年以上経っても、全然進歩していないのです。そのような人(国)に対して、阿修羅はどのように対峙するのでしょうか?慈悲の力で相手を改心させることができるのか?簡単に討たれてしまうのか?
私にはわかりません。
ですが、今争っている人達、これから争うと考えている人達が、早く間違いに気づいて悔い改めることを願います。
どうか平和な世界が続きますように!